冬枯れの小枝にも時は波打つ

世界の暮れかかる汀に寄せるように

私たちがわずかにながらえるために

倦んだ時の堆積した

はるかな地質の時代が晒されることで

世界は何を失うというのだろう


たぎる残照の中でふりかえれば

月が山脈を離れ

やがて星が配られるだろう


世界は放置された問いに過ぎず

答えが絶えず猶予される日暮れ

まるで私たちだけには

たどりつく場所があるかのようだ


再びかえらぬものが

私たちに正しい姿勢を強いる時

時は答えているのではないか


私たちを孕ませることで

産み落とそうとしているものの

何であるかを

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鳥形山 2